2017年11月13日 (月)

「ザ・サークル」 SNSとの付き合い方

「いいね!」とか「インスタ映え」とかSNS発の言葉が一般的になることがよくあります。
現代人なので、当然SNSもやっていますが、毎日毎日何かをアップするほどこまめではありません。
数年前にやり始めた頃は割とまめだったのですが、面倒になってしまって。
いわゆるSNS疲れってやつでしょうか。
誰かのリアクションがあると嬉しくはなるので、色々アップしていたのですが、そのために何かをするという逆転みたいなことに違和感を感じてきたのですね。
ま、仕事もプライベートも忙しくなってきたというのが主な理由ですが。
最近は一ヶ月に一回上げるかどうかですかね。
人の記事も毎日はチェックしてはいません。
気が向いた時だけという感じでしょうか。
あんまり他人のアクティビティは気にならない性分なので。
毎日色々とアップする方もいて、それはそれで好きならばいいとは思いますが、この作品で描かれているように、そういうことを強要される(ま、映画の中でも強要ではなくてマイルドに強いられていますが)のはちょっと違和感を感じますね。
誰かの反応があるというのは嬉しいことですし、人間なので自己を認めてられることの満足感はあるのもわかります。
実際自分の記事に何か反応があれば嬉しいですしね。
ただそのために色々と気にしたり、自分の時間を取られすぎるのも本末転倒な気もします。
また人の記事をチェックするのに時間を取られるのも、なんだかなとも思います。
本作での公開されたメイの行動を大勢の人が見るというのも不思議な感じがします。
「トゥルーマン・ショー」の現代版という感じですよね。
誰かの生活を覗き見るために自分の時間を使っていると考えると何か無駄なような気もします。
その時間で、自分の好きなことやったほうがいいかなと。
隠し事ができない環境になれば、誰も悪いことをしなくなるだろうという考えもわかります。
公開されるかもしれないということは、抑止力にはなるでしょう。
しかしそのために犠牲にするものも大きいですよね。
本当の自分だけの時間がなくなるという犠牲が。
全ての人の生活を覗き見ることができるようになるということは、自分の生活も全ての人に覗き見られるということになります。
人のことを知ることと、自分のしたいことをする時間。
オープンネスとプライベート。
どちらか一方が100%正しいということはなくて、頃合いのいいバランスを見つけることが良いのかなと。
そのバランスも人ごとに違っていても良くて、それを選べるのがいい社会な気がします。
公人の立場の人はかなりオープンでなくてはいけないとは思いますが、パパラッチみたいなものもどうかなと思います。
やはりバランスですかね。

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2017年11月11日 (土)

「ブレードランナー2049」 自分は何者であるのか?

映画のみならず様々な作品に影響を与えた「ブレードランナー」の続編になります。
本作見る前にオリジナルを観ておかなくてはと思っていたのですが(なんせ35年の前の作品ですから)、結局見ないままに鑑賞。
ついていけるかと不安がありつつもなんとか大丈夫でした。
監督はリドリー・スコットではなく、ドゥニ・ヴィルヌーヴになりました。
リドリー・スコットは製作総指揮として関与しています。
オリジナルの「ブレードランナー」が伝説と化しているのは、サイバーパンクの走りのような世界観、そしてエッジーな映像が80年代当時としては非常にクールであり衝撃的であったからだと思います。
今回はドゥニ・ヴィルヌーヴが監督となりましたが、彼も彼独特のエッジーな映像を撮る人(リドリー・スコットはまた違いますが)であるので、非常に「ブレードランナー」の世界観とマッチすると感じました。
ドゥニらしく、また「ブレードランナー」らしい映像となっていました。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの作品はなんだかんだとよく観ているのですが、エッジの効いた映像、無機質な手触り、解釈を要求する物語といったところがあり、一般受けしにくい監督であるなと思っていました(映画マニア的には見応えあるのですが)。
しかし「メッセージ」あたりからバジェットが大きい作品を撮るようになり、いい感じで一般的にも大丈夫な塩梅を掴んできたようなところがあります。
インディペンデントの監督がメジャーをやると、その監督らしさがなくなって他のブロックバスター映画と同じような雰囲気になってしまうことが多いのですが、ドゥニ・ヴィルヌーヴの場合は彼らしさを保ちながらも、一般的にも受け入れられる作品に仕上げているように思います。
選んでいる作品も彼の個性に合っているものを選んでいますよね。
「ブレードランナー」はまさにドゥニ・ヴィルヌーヴにぴったりだと思います。
なので、続編を彼が撮ると聞いて全く心配はしていませんでした。
期待通りの仕上がりです。

ストーリーとしても非常に面白かったです。
ネタバレになってしまうので細かくは書きませんが、提示された謎が解決されたと思いきや、それがまたひっくり返るというのが、なかなかに面白い。
アクションなどは多いわけではなく、またかなり長い作品の割には、退屈することもなく、最後まで見せてくれました。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの映像美と巧みなストーリーテリングのためだと思います。
「ブレードランナー」という作品は、自分が何ものであるかというアイデンティティの揺らぎがテーマであると考えます(原作のフィリップ・K・ディックの作品は唯一信じられる自分というものが信じられなくなるというテーマが多い)。
主人公のKは最初からレプリカントであることはわかっています。
彼のタイプは人間に従順であり、かつてのレプリカントのような反乱的な要素はありません。
そういう意味では彼は何者でもない。
ただの道具であると言えます。
しかし操作を通じて、何者でもないという彼のアイデンティティが揺らぎ、何かであるかもしれないという予感が彼を不安にします。
前作のデッカードとは逆の揺らぎであるとも言えます。
Kの揺らぎに観客は共感し、そして最後の結末に切なさを感じます。
ただ彼は彼として何者であるかはわかったのではないかと思いました。

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「マイティ・ソー バトルロイヤル」 思いの外、コミカル

オリジナルの副題は「ラグナロク」。
よくファンタジー系のアニメや小説などでよく出てくるフレーズですが、これは北欧神話の中に登場する言葉で「神々の黄昏」と訳されることが多いです。
北欧神話で語られる物語(オーディンなどが登場する)で、彼ら神々たちの世界の終わる最後の戦いをラグナロクというのです。
本作ではスルトがアスガルドを焼き尽くしますが、北欧神話でもストという巨人がアスガルドを滅ぼすのです。
英語の副題から察するに見る前からアスガルドの終焉が描かれることは想像できました。
そういう意味では重い話かと思いきや、ソーとハルクの掛け合いのあたりとか、ロキのコメディリリーフ的な感じとか、コミカルな部分もいくつかありました。
雰囲気的には「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の一作目のような印象が近いかもしれません。
個人的にはもう少しシリアスなタッチが好きなので、好みではなかったのですが、マーベル映画は懐が深いということで。
見た作品の印象でいうと「ラグナロク」というよりは「バトルロイヤル」という副題の方がしっくりきます。
なんというか昔の「フラッシュ・ゴードン」(知っている人いるか?のようなノリを感じるのですよね)。
アメコミ的であるといえば、アメコミ的ではあるのですけれど、何か懐かしい感じもします。
今後の展開としてはアスカルドを失った神は今後どうなってい久野かとか、ハルクはバナーに戻れるのかとか、色々気になるところはありますね。
次の「アベンジャーズ」もまた見なくてはいけません。

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2017年11月 4日 (土)

「猿の惑星 : 聖戦記」 断絶社会の風刺

最近、「ダイバーシティ」という言葉をよく耳にします
「多様化」という意味で、年齢や性、宗教、障害があるなしなど様々な違いを受け入れて、どんな人でも生きていきやすい社会を目指すということですね。
しかしそういうことをあえて言わなければいけないということは、現実にはそのような多様化はまだまだ実現に至っていないというわけなのですよね。
自由の国アメリカでも最近では様々な格差、断絶が問題になっています。
アメリカに限らず、日本でもそうですし、世界的に、異なる見かけ、価値観を受け入れにくい社会になってきているということです。
本作「猿の惑星 : 聖戦記」はまさにこういった社会を風刺している作品となっていると言えるでしょう。
人間と同じように知能を持つようになった猿たちを人間は恐れます。
自分たちより劣っていたと思っていた者が、自分たちの地位を脅かそうとしていると思う。
そこには本能的な恐れがあることは致し方がないことだと思います。
そもそも人間が自分たちと異なる者に敏感なのは自分たちの種を守りたいという本能からなのでしょう。
人間と猿という違う種族の間の物語と見るとSF的であるのですが、これを異なる価値観、出自の者の間の物語と見ると、先ほど書いたような現代の断絶社会の風刺に見えるのですよね。
特に今回の作品では人間が人間らしさの象徴である言葉を話す力を失っていってしまうというのがショッキングです。
人間が猿とは違うと感じる最も根本的な力を失ってしまう。

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このことは例えば、移民の増加により職を奪われていってしまうと考える人々の恐怖に近いものかもしれません。
そのために彼らを排斥しようとし、そしてまた彼らは自分たちを守ろうとする。
これはアメリカやヨーロッパで起こっている移民の問題だけではなく、例えば日本では世代間の断絶(高齢者VS若者)みたいなものとしても捉えられるかもしれません。
こういう断絶社会の戦いはどちらかがどちらかを征服するか、融和するしかありません。
願わくば融和してほしいものですが、なかなかにこれは難しいのは今までの人類の歴史が物語っていることでもあります。
なので本作も人類と類人猿の戦いの結論めいた答えは描いてはいません。
ただ悲観的かといえば、人間の少女が類人猿たちと暮らしていける可能性も描いているので、微かな希望も感じます。

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2017年10月14日 (土)

「亜人」 割り切りがしっかりできていて小気味いい

例によって原作は未読で鑑賞してきました。
最近、原作の映画は結構長尺のものが多くなってきていますよね。
長い原作をコンパクトに映画をするのは大変ですし、登場人物を説明していく段取りなどもあるので、長くなりがちです。
特に登場人物の説明は丁寧にすればわかりやすくはなりますが、展開が遅くなって冗長な感じがしてくるので、バランスが難しいところです。
その点において本作「亜人」はかなり割り切って描いているかなと思います。
オープニングから主人公永井の佐藤による救出作戦が開始され、その後すぐに二人は対立し、バトルシーンに突入します。
ある意味、イントロなしでクライマックスに入った感じもあり、一気に作品世界に引き込まれる感じがしました。
と言いながら、ただバトルをしているだけでキャラクターの背景が全く不明かというとそういうことでもなく、ちょっとしたシーンであったり、台詞であったりでその登場人物がどんな人間なのかを伝えることは行なっていると思います。
永井なり、佐藤なりの過去話など掘ればいくらでも掘れそうだと思いますが、そこをあえて掘らず、映画としての展開のスピードを重視した潔い構成になっていると思います。
亜人研究所とか、政府の黒幕とか色々ありそうですけど、この辺りもあっさり切っていて小気味がいいです。
どうして亜人は存在するのかということなども描きたくなるとは思いますが、そのあたりもそういうものだという割り切りにの中で話が進んでいきますよね。
そのため映画全体は見ていて非常にスピード感があり、また比重の多いアクションについても亜人という特性を活かしたアクションとなっていて見応えがありました。
普通は死んだら負けということが前提にアクションが組み上げられていますが、本作の亜人の戦いは死んだら元々の完璧な状態で復活します。
劇中ではリセットと言っていましたが、まさに言い当てていますよね。
リセットボタンに手をかけながらゲームをしている感じ。
彼らにとって最悪なのは、リセットできない状態になること。
死んではいないけれども、動けない状態になると彼らは負けなのですよね。
ゲームの前提が違うから、アクションも通常のものとは変わるはずです。
そのあたりのルールの違いがよく劇中のアクションシーンで描かれていました。
そういう点では見たことがないアクションになっていたと思います。
割り切りがしっかりできていて、やりたいことが明確になっている作品に仕上がっていると思います。

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2017年9月30日 (土)

「エイリアン:コヴェナント」 ミッシング・リンク

<ネタバレ含みますので、ご注意です>

前作「プロメテウス」は「エイリアン」シリーズの前日譚として、様々な謎が解決されると思いましたが、逆に色々と謎を置いていった印象で、ややスッキリした感じがしなかった印象でした。
本作「エイリアン:コヴェナント」は「プロメテウス」を引き継ぐ内容で、そしてその後の「エイリアン」に続くエピソードとなっており、シリーズのミッシング・リンクであるとも言えます。
本作ではそもそもエイリアンという存在は何ものなのか、なぜあのような生物が存在するのかという謎、そして人類とは何者であるのかという謎が明らかになります。
そもそも人類はエンジニアという異星人が、自分たちの遺伝子を種として地球に蒔いたことが起源となっていました。
彼らが人類の創造主であるわけです。
そして人類は文明を発展させ、やがてアンドロイドという新たな生命というべき存在を産みだしました。
アンドロイドは死なないという点において、人類よりも「完全な」存在と言えます。
そのようなアンドロイドの一体、デイビッドらはプロメテウス号でエンジニアの存在を発見します。
そしてまた、彼らの創造物の一つであるエイリアンとも遭遇するのです。
本作で明らかになるのは、デイビッドがそのエイリアンをさらに改良し、完全なる生命体を作り上げていたということです。
攻撃的な性質、頑強な肉体、強酸性の血液、そして宇宙空間ですら生きることができるパーフェクトな生命体である、エイリアン。
アンドロイドである彼は不完全な存在である人類に作られました。
しかし、より完全であるはずの彼らは、不完全である人類に恭順をしなくてはいけませんでした。
デイビッドの中に人類を越え、さらに完全なる者を生み出したいという欲望が目覚めたのでしょうか。
この欲望は他者を征服し、自分たち以外を排除する弱肉強食の論理です。
デイビッドはその不完全さゆえに人類は存続するべきではないと言っていました。
結果的にはアンドロイドのデイビッドを経由して、自分たちの存在を脅かす存在を生み出してしまったわけです。
そしてそれはエンジニアもそうなのかもしれません。
生物というものはそのように新たな種が前の覇者を駆逐していくものなのでしょうか。

いくつかまだ積み残しの謎もあるように思いました。
本作の結末でコヴェナントが向かうのは元々の目的地であったオリエガ6だと思われます。
「エイリアン」でノストロモ号が到着したのは、オリエガ6なのでしょうか、それとも本作の舞台となっていた惑星なのでしょうか。
エンジニアの宇宙船があるということから本作の惑星であると思うのですが、ノストロモ号乗組員を襲うのはデイビッドの研究室の地下にあったエイリアンの卵なのですかね・・・?
その時デイヴィッドの痕跡が一つもないのはちょっと気になりますが。
そうだった場合は、オリエガ6の方にもデイビッドが持っていったエイリアンが2体いるはずなのですよね。
その後のデイビッドも気になります。
あと、エンジニアは(デイビッドに酷似した)王らしき人物に滅ぼされますが、これがデイビッドの妄想なのか(?)、現実のことなのかはわかりません。
現実のことであると彼は何者であるか、そして彼はその後どうなったのかというのが気になります。
彼はエンジニアたちに生み出されたアンドロイド的なものであったのかもしれません。
そうなると生物というものは自ら自分たちよりも優れたものを生み出し、そして滅ぼされていくという運命にある存在なのかもしれないとも考えられます。
意外と哲学的な話になったものですね。

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2017年9月24日 (日)

「ワンダーウーマン」 彼女はヒロインではなく、ヒーロー

DC作品については、このブログでは割と辛口の意見になってしまうことが多かったのですが、本作についてはとてもポジティブな意見になります。
この作品の一番の成功は、ワンダーウーマン役にガル・ガドットを当てられたことです。
彼女は「ワイルド・スピードMAX」に出演した時に、その美しさに注目していたのですが、その次の作品以降は出演がなくなり残念に思っていました。
「バットマンVSスーパーマン」で、初めてワンダーウーマン役で彼女は登場しましたが、一目見ただけで役にぴったりとはまっているように感じました(バットマンよりハマりがいい)。
その時は、戦士としての経験も積んでいるクールな印象でしたが、本作のガル・ガドットは様々な表情を見せます。
何も知らない無垢な少女のような表情(かわいい)。
恋を知った優しい表情(抱きしめたくなる)。
色っぽさを感じる大人の女性の表情(色っぽい)。
戦いの中での勇ましい戦士の表情(かっこいい)。
この一人の女性の中にある様々な気持ち、そして女性の魅力が彼女の中にあることが感じられます。
女性のヒーローであることの意味がそこにはあります。
他のDCのキャラクターは仏頂面が多く、作品自体も鬱々としている雰囲気なので、彼女の存在が映画に生命力を与えます。
長身で手足が長いガル・ガドットは、あのワンダーウーマンのコスチューム(ちょっと古臭い)を着ている時も、サイコーにかっこいい。
アクションシーンも非常に良くできていました。
DCっぽいCGの人形が高スピードでドタバタやっているというおもちゃ感は多少はあるものの、ガル・ガドットのアクションをしっかりと見せる撮り方をしているのには好感が持てました。
またワンダーウーマンが最後に彼女が信じるのは「愛」だと明言したところも良かったですね。
多くのヒーローは大義のために戦うことが多いですよね。
人類を救うため、世界を救うため。
しかしその為には少ならからず犠牲を覚悟する。
そのことについてはマーベルでは「アベンジャーズ」シリーズで、DCでは「バットマンVSスーパーマン」で触れられていました。
多くのヒーローはその犠牲をやむをえないものとして考えます。
けれどワンダーウーマンは大義、もしくは人類全体というよりは、生きている個々の人々の命を守ることのために戦っているように感じました。
それぞれの人々が持っている誰かに対する想い、愛。
その愛を守るために彼女は戦う。
バットマンなどDCのヒーローは非常にクールで、世界観もダークなのですが、ワンダーウーマンは暗い世界の中に彼女の存在が光となっているような気がします。
これは彼女が女性であることが大きく、作品を意味付けできていると思います。
ダイアナ=ワンダーウーマンはこの作品で多くの経験をして少女から大人の女性に変わりました。
今後登場するDCのシリーズは大人の女性として描かれるのでしょうが、彼女のコケティッシュな魅力もちょっと出して欲しいなとも期待します。

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2017年9月23日 (土)

「ダンケルク」 英雄と卑怯者

クリストファー・ノーランの作品にしては短い!
とは言いながら今回の作品は時間に追われるタイムサスペンス的な色合いも強いので、長くすることを良しとしなかったのでしょうね。
また本作はノーラン初の戦争実話ものなのですが、ただの戦争映画とならず彼らしさも感じられます。
この映画は大きく3つの場面を描きますが、それぞれのシーンの時間の進み方が微妙にずれています。
起きる出来事がそれぞれの場面でリンクしているのですが、同じ事象を映画上の同じ時間に別の場面からの視点で出すということはあまりないので、一瞬戸惑いますね。
映画の時間の進み方の中では、同じ出来事が行ったり来たりしているように見えるということです。
そこさえ慣れてしまえば、最近のノーラン作品よりは見やすいものになっていると思います。

本作には様々な人物が登場します。
描かれているダンケルクという街は、第二次世界大戦中、ドイツ軍に包囲された英仏連合軍が大脱出作戦を行うところです。
刻々と狭まるドイツ軍の包囲網。
そういった状況の中での様々な人々の行動を描きます。
ただただ自分が生き延びるために行動する者。
人々の命を救うために自分の命を投げ出そうとする者。
強き者。
弱き者。
強いからといって、人のために戦う人ばかりではない。
弱いからといって、逃げる人ばかりではない。
高地連隊という戦いの猛者でありながら、生き延びるためによそ者を蹴落とそうとする者。
その時の状況に合わせて機転を利かせて、生き延びようとする者。
か細い少年でありながら、誰かの役に立ち、尊敬されるような男になりたいと考えている者。
屈強の空の戦士であり、兵士たちを救うために一機で戦いを挑む者。
戦争という究極の状況の中、人々は英雄的行動をとったり、卑怯者的な行動をとったりします。
それぞれの心の中で葛藤があり、ちょっとした振れ幅で英雄となったり、卑怯者になったりします。
そしてその振れ幅は彼らのその後の人生に大きく影響を与えることとなるのです。
この映画では「その後」は描かれませんが、そうに違いありません。
ドイツ軍の捕虜となってしまったパイロットは、辛い状況にあっても今後は誇りを持ってそれに立ち向かえるでしょう。
無事イギリスに帰還できた若い兵たちは、今後自分は生き残ってよかったのであろうかと悩むことになるでしょう。
彼らの決断を決める一瞬の振れ幅は誰の中にも起こり得ます。
それは人間の中で常に善と悪が戦い続けているからだと思います。
ノーラン作品にはうちにある善と悪との戦いというのは裏のテーマであると思います。
バットマンはヒーローではありますが、そのうちには悪の要素を抱えて葛藤を続けています。
その悪の部分が表出化したのがジョーカーであり、彼とバットマンは裏表とも考えられます。
このように人の中には英雄と卑怯者が同居しており、ノーランはそれを描き続けてきているのだと思います。

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2017年9月11日 (月)

「関ヶ原」 青年VS大人

歴史を題材にした作品のベースになるのは史実であるのですが、それは文書などによる記録であるため、(私的な書簡を以外では)そこに記載されている人物がどのような性格で、どのように考えていたのかというのは実際のところ想像するしかありません。
だからこそ物語の語り手によって、その人物のキャラクターが想像力により膨らませられていくので、語り手ごとに解釈が変わるわけで、それが歴史ものの面白いところと言っていいでしょう。
日本の歴史において戦国時代というのは、歴史の大きな転換点であり、そのため数々のドラマがあります。
そのためいくつもの小説、映画、ドラマでもこの時代が扱われているのはみなさんがご存知の通りです。
その中でもクライマックスと思われるのが、いわゆる「天下分け目の関ヶ原」です。
数え切れぬほどの作品が関ヶ原を扱っています。
この戦いに参加した大名の中でも、それぞれの作品において描かれ方が全く違うことが多いのが、本作の主人公である石田三成でしょう。
徳川方の見方による物語においては、家臣でありながら豊臣家を思うがままに操る佞臣であったりします。
逆に豊臣方から見れば、多くの大名が豊臣を見捨てる中で、最後まで忠義を尽くす者として描かれます。
立場が変わればその人物を評する意見も異なるということの良い例でしょう。
本作の視点はどちらかといえば、豊臣側のものになります。
ですので岡田准一さん演じる三成は、忠義の士として描かれます。
しかしこの三成はなかなかに生きるのが不器用な男です。
忠義であり、自分を律することができる男なのですが、それと同じレベルを周りの者にも要求するところがあります。
なんというか融通の利かない男なのですね。
三成に対する家康が、計算高く狡猾で、また手練手管を駆使できる男として描かれているので、余計にその融通のなさが目立ちます。
人というのは正論だけで動くものではないということが、自分が真面目なだけあって、わからないというのがこの作品における三成像のように見えました。
それでもその青臭さに惹かれる者はいるわけで、それが島左近であり、大谷刑部であり、初芽であったのでしょう。
初芽に対する三成の想いは、まさに少年のようでもあり、それが本作における三成の青臭さをより強めているようにも思います。
想いに純であり、生真面目である。
だから老練で、ずるい大人に勝つのはなかなかに難しい。
生きるためにだんだんと汚れていったのが家康であったのであったのであるならば、三成は汚れていかなかったために死ぬ運命だったのかもしれないですね。

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2017年9月 2日 (土)

「トランスフォーマー/最後の騎士王」 ここまできたら最後まで付き合います

「トランスフォーマー」シリーズもすでにもう5作目。
あと2作は作るということになっているので、もうここまできたら最後まで付き合います。
しかし、相変わらずの盛り混み具合で、ここまで盛り込むのはマイケル・ベイか、ローランド・エメリッヒかというくらいですよ。
オープニングは「トランスフォーマー」らしからぬアーサー王と円卓の騎士たちの戦いが描かれます。
実は人類の歴史にトランスフォーマーは大きく関与していたということらしい。
いやいや、それはもう後付けだよね、とツッコミたくなりますが、このシリーズについては野暮というもの。
そうなのねー、と寛大な気持ちで受け止めてあげましょう。
映像的にはすごいことになっているますが、一作目を観たときほどの衝撃はすでにありません。
最初はこういう密度感があるCGというのは新鮮でしたが、他の作品でもこういう映像は多く使われるようになり、もう見慣れてしまったというのもあります。
あとはもう画面の動きが早すぎちゃって人の認識の速度を超えちゃってます。
最近のこのシリーズは人間が主人公というよりも、オプティマス・プライムが主人公という描かれ方をしていますが、個人的にはこれになかなか馴染めません。
巨大ロボットが主人公という発想に馴染めない(これは日本のアニメなどのイメージが刷り込まれているからかもしれません)。
もうすでに描かれ方としてはロボットというよりは、金属の鎧的なものを身につけている異星人という感じですよね。
ロボットを抜きにしてもオプティマスの性格があまりに高潔で面白みがないからかもしれないです。
真面目すぎるのよ、彼は。
アメリカ人はこういう理想のリーダーというキャラクターが好きなのかもしれないですが、キャラクターに面白みが感じられません。
お話的にはあまりツッコミを入れることを諦めたので、この作品においては思いの外、途切れず見ることができました。
マーク・ウォールバーグなど随所に演技で魅せられる人を入れているからかもしれませんね。
書いて見ると文句ばかりな感じになりますが、ここまできたら最後まで見て観たくなりますね。
どうやって収拾つけるのかなー。

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